【望美】

体育館の片付けが終わり。

私は奈津と何か食べようと思って、近くのコンビニに来ていた。

『何も言わず出てきちゃったけどいいのかな?』

「学園の近くだし、外出届けは出したから。直ぐに戻れば大丈夫だよ」

えっと、奈津の好きなものは…。

『望美!私ドーナッツ食べたい』

「うん、いいよ」

私は、ドーナッツを一つ頼んだ。

コンビニを出て、学園に向かって歩いている時、公園に有水が入っていくのが見えた。

「あれ?有水さん」

『どうしたんだろ?』

さっきの有水のことを思い出し、私は有水のあとを追った。

『何してるんだろ?』

「さぁ?」

有水は、ベンチに座って星を見上げていた。

『ねぇ、貴方達なにしてるの?』

『うわぁ!』

「きゃあ!」

いつの間にか、私達の後ろにフレイアが居た。

「ふ、フレイア?!」

「やっぱり、望美さんだった」

「へ?」

前を見ると、有水がくすくすと笑っていた。

「尾行へたくそですか?バレバレでしたよ」

「そ、そっか…」

私は、立ち上がり有水に向き直る。

「文化祭が終ってから、話しようと思っていたけど、折角なので、今話しますね」

「話ってなに?」

有水は、優しく微笑むと言う。

「私、奈津くんのこと諦めます」

「…え?!」

『ええええ!』

き、急にどうしたの?

「なんで?!」

「何でって言われても、もしかして嬉しくなかったですか?」

『いやいや、嬉しいに決まってるじゃん!』

「なにか、あったの?」

有水は、苦笑してから言った。