『オルドから話は聞いていた。貴方は、何者なんだ』

「俺は――」

俺は、シンクとリンクする。

そして――

『……』

「……」

ヴィーナスに精霊銃を向ける。

「未来からきた」

ヴィーナスの隣にオルドも姿を現す。

『オルド、何もするな』

ヴィーナスは、一歩前に出る。

『その銃は、未来の武器か?』

「あぁ、妖精と体をリンクさせて、妖精の力を引き出す武器」

『なぜ、過去に来た』

「本当は、ここに来るのは手違いなんだ」

『手違いだと?』

俺は、精霊銃をしまう。

「あぁ、俺は2211年の時代から来た。そして、俺が行くべき未来は、2197年だ」

『その時代になにがある』

「……」

俺は、シンクをリンクを外す。

「その時代に、戦争が起きる」

『戦争だと?』

ヴィーナスが目を見開く。

「あぁ、でもそれは人間じゃない。“妖精戦争"だ」

『なに?!』

『……』

ヴィーナスは、何も言わず俺の話を聞く。

「お前達が今しようとしているのは、キセキの泉計画だろ?」

『何故それをお前が知っていた』

「それは、未来では成功しているからだ」

シンクは、頷くと靴下を下ろし、紅い蝶の紋章を見せる。