妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「色々とやってるもんなんだな」

「私達も初めてだったから、最初は驚いたよ」

俺にとっては、文化祭というもの自体初めてだし、どれも新鮮なものだった。

『そうだ、奇跡みんなで写真撮ろうよ!』

「はぁ?なんで」

シンクがいきなり変なことを言い出した。

「いいんじゃないか?写真くらい」

「面倒臭い」

『まぁまぁ、そう言わず』

俺は、深く溜め息をつき携帯を取り出す。

「もう携帯持ってるのか?」

「まぁな」

俺は、近くにいた人に頼んで、携帯で写真を撮ってもらった。

「ルルたちも居ればよかったかな?」

『また次撮ろうね』

俺は、さっき撮った写真を見る。

(初めてだ…)

初めて、人と写真なんて撮った。

それも――

「ねぇ奇跡」

「な、なんだよ!」

「さっきの写真貰ってもいい?」

「え…」

あ、あげてもいいが…。

多分俺達がこの時代から消えたら、望美が持つ写真の中から、俺とシンクの姿は消えてるだろうな。

俺が持つ写真だけが、ちゃんと残るだけだ。

「奇跡?」

「なんでもない」

俺は、望美とメアドを交換した。

メアドくらい交換するのはいい。

どうせ、直ぐに消える。