妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「ま、いいんじゃない?これで小早川もしばらく望美のこと見れるし」

「おい…、それはどういう意味だ…」

「だって、望美に変な男共が付かなくていいんじゃない?」

「あ、晶?!」

な、何言ってんの晶は?!

男の人が私なんかに寄ってくるわけないじゃん。

「自覚ない彼女持つと大変だな」

「まぁ…。そうだな」

「ちょ、何の話?!」

「それじゃぁ席に座ろう!」

晶は、話を逸らして自分の席に向かった。

「一体なに?」

「とりあえず、俺たちも座ろうか」

「う、うん」

まいっか、気にしなくても。

私と奈津は、席に着く。

ふと周りを見ると、女の子たちは奈津に目を向けながら、ひそひそと話していた。

(やっぱり、みんな奈津のこと気になるよね)

中学でもう経験しているから、慣れたけど。

あ…、慣れちゃ駄目なのかな?

「どうした望美?」

「な、何でもないけど、女の子たちが奈津を見てるなぁって思って……」

奈津は、女子へと目を向ける。

すると、見られた女の子たちは、「目が合った」とか、「かっこいい!」とか、はしゃいでいた。

「いや、はしゃがれても見られても困る、俺は望美以外の女の子に興味ないから」

さらりと恥ずかしいことを言われ、頬が熱くなる。

自分の言ったことに気づいた奈津も、後から恥ずかしさが来たのか、頬を軽く染めた。

「なんか、付き合い始めたばかりのカップルに見える…」

「でも良いじゃない?仲良そさそうで」

後ろの方で、晶と沙弥佳がそんな話しをしている。

「このまま何事もなく、結婚まで行って欲しいね」

「そうだね」