妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「ちょっと意外だった」

『奇跡可愛いっ!』

俺は、シンクを掴み放り投げる。

『きゃぁぁ!』

「馬鹿はあっち行ってろ」

「よ、容赦ないな」

『当たり前だ』

ま、遊園地に行ってみたいだなんて、そんなの叶うはずないが。

「じゃあ、行こうよ」

「は?」

いや、時間ないだろ。

「だって、少しでもたくさんの思い出作りたいじゃん?」

望美が俺の手をとる。

「今度一緒に行こうね約束」

そして、俺の小指に自分の小指を絡める。

『シンクも約束する!』

「お、おいシンク!」

俺は、恥ずかしくなり小指を離す。

「そ、そんな堂々と恥ずかしいことするなよ!」

「そうかな?」

望美は、奈津に目を向ける。

奈津は、ただ苦笑していただけだった。

(約束なんて…)

『絶対帰ってくるから、お母さん達と待っててね』

俺は、拳に力を込める。

「分かったよ、約束だぞ」

「うん!」

たこ焼きを食べ終わった俺達は、学園の中を見て回った。