妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【奇跡】

俺は、望美の言葉に心が揺らぎそうになった。

ホントは、もう少し一緒に居たいと思っていた。

だけど、それは無理なことだ。

俺には、やるべきことがある。

この先の未来で―――

そして、今から時間を遡る。

ヒュプを捕まえたときの話だ。

俺は、ヒュプを小瓶から出さずに色々と質問した。

もちろん、ヒュプは頑なに口を閉ざしていた。

ヒュプは、怪我したところを抑えながら、俺を睨みつけていた。

「なんだ、その目は…」

俺は、精霊銃を向けてヒュプを脅す。

『そんなことしたって、僕は何も喋らないよ!』

『往生際が悪いよヒュプ』

『…君たちは、一体何者なんだ!』

俺は、ヒュプを睨みつける。

『ひっ!』

ヒュプは、小瓶の中で体をすくめる。

「お前が何も答えていないのに、俺が答えるわけないだろ」

『こ、こんなことしたら!あ、アクが黙っていないんだからね!』

「上等だ」

俺は、精霊銃を撃つ。

もちろん、当てるつもりはない。