「つーか、別に俺と回らなくても良いんだけど、俺一人で回れるし」

「いいだろ別に、俺達がお前と回りたいんだから」

「そうだよ」

「…はぁ」

奇跡は、面倒くさそうに溜め息をつく。

『まったく、奇跡は照れ屋なんだから』

「だれが照れ屋だって…」

『いえ、なんでもありません』

「それじゃあ、行こっか」

私達は、屋台のある中庭へと行く。

「何か食べたいものあるか?」

「…特には」

『あっ!私たこ焼き食べたい!あと、焼きそば!』

「シンク…」

す、凄い…、もしかしてルルと同じく食べる?

『あれ、そういえばルルとハヤテは?』

「今二人で学園の中に行ってるよ」

『へぇ、もしかしてデートかな?』

シンクは、ニヤニヤしながらたこ焼きの元に向かう。

「行かないのかよ…」

私達とつられて並ぶ。

「意外と人気なんだな」

「たこ焼き美味しいからね」

私がそう言うと、奇跡は黙って前を向く。

(何か変なこと言ったかな?)

「そういえば、アンタらに言っておくことがある」

「なんだ?」

奇跡は、腕を組むと言う。

「俺とシンクは、あと数日したらこの町から出ていく」

「そ、そうなの?!」

き、急にどうしたのかな?