【望美】

私と奈津は、校門のところで奇跡を待っていた。

「本当に来るのか、あいつは?」

「来ると思うよ、確かこの時間帯のはずだから」

今は、ちょうどお昼時の時間帯だった。

「奇跡が来たら、屋台回るか」

「そうだね。お腹も空いちゃったし」

またこうして、奈津と普通に話せることが嬉しかった。

さっきの奈津の気持ちは、私もよく分かる。

でも、私がさっき言った言葉は嘘じゃない。

ルルが使命を果たして、消えるのなら、私は心からありがとうと伝えたい。

「あ、あのさ望美!」

「なに?」

「あのさ、後夜祭空けておいてくれないか?」

「え…」

私の胸が高鳴る。

「伝えたいことがあるんだ」

「う、うん。私も、奈津に伝えたいことがあるの」

「そ、そうか…」

その時――

「あのさぁ、イチャつくなら俺の目に留まらないところでやってくれないか?」

「え?!」

「き、奇跡!」

いつの間にか、私達の目の前に奇跡とシンクがいた。

『やっほー!望美』

「良かった。二人共元気そうで」

「まぁ、それなりに」

奇跡は、面倒くさそうにそう答えた。