「何かあったの?」

「いや…」

望美に話していいのか、ハヤテ達が消えることを…。

でも、話さないといつかは…。

俺の中で二つの気持ちがぶつかる。

「私が、聞いちゃいけないことだよね…?」

望美は、視線を下に落とす。

「…そんなことない…」

俺は、望美の手を握る。

「奈津?」

「多分、今から言うことは、俺自身もどうすればいいのかよく分かんないことだし、望美も傷つくことだと思う」

「私も?」

望美は、首を傾げる。

「ホントは、傷つけたくないんだ」

でも、話さないと後悔すると思う。

望美は、握る手の上に手を乗せる。

「大丈夫だよ。きっと…」

「どうして、そう言いきれる?」

「だって…」

風が望美の髪をなびかせる。

「奈津が、傍で居てくれるから」

俺の頬が熱くなるのを感じた。

「そっか、さっきさ――」

俺は、聖夜と話したことを望美に話す。

そして、望美からは想像していなかった返事が返ってきた。