「あれ、奈津?」

「――!」

名前を呼ばれ我に返る。

「望美?」

「どうしたの?顔色悪いよ…」

望美が俺の傍にくる。

「そんなに顔色悪いか?」

「うん…、気分でも悪い?」

「あぁ、ちょっと悪いかな」

俺は、ハヤテに言う。

「ハヤテ、ルルと一緒に学校の中見てこいよ」

『え…』

『どうしたの?急に…』

今は、一人で考えたかった。

「ルル、ハヤテと行ってきて」

『望美は、どうするの?』

望美は、俺の手を取ると言う。

「私は、奈津の傍にいるよ」

「望美?!」

望美の言葉に俺は驚いた。

『そっか、なら行こっかハヤテ』

『あ、あぁ…』

ハヤテは、チラッと俺の方を見るけど、ルルに着いていった。

「奈津、とりあえず涼しいところ行こう?」

「分かった…」

望美に連れてこられ、校庭の隣の木々の下で俺達は座る。