『奈津、あまり深く考えるな』

「だけど…」

このことを、望美は知っているのか?

もし知ったのなら、あいつはルルがもう一度消えると知ったら絶対悲しむ。

『俺は、ずっと奈津の傍に居るぞ』

「ハヤテ…」

『俺の使命は、奈津のサッカーが大好きという気持ちをなくさせないことと、もっと好きにさせることだ』

ハヤテは、俺の手に触れる。

『それに、俺は奈津の未来をこの目で見たいんだ』

「俺の未来?」

『お前の隣には、きっと望美がいて、そこには子供がいる。そして、そんなお前達を俺とルルは傍で見ている』

「でも、それまでホントにお前が存在しているかどうか!」

『だから、俺はお前の傍に居るって言ってるだろ』

ハヤテは、サッカーボールを出す。

『お前の傍に、ちゃんと居るさ』

「ハヤテ…」

これ以上何も言っても駄目だと思った。

(何かないのか…、ハヤテ達を消させない方法)

もし方法があるのなら、是非それにすがりたい。

ハヤテは、俺の心そのものだが、大切な友達でもあるんだ。

失うなんて、絶対嫌だ。