『そういえば、シビルはどうしたんだ?』

「シビル?…消えたよ」

「き、消えた?!」

「まぁな」

聖夜は、俺の横を通り過ぎる。

「それじゃあ、俺帰るから」

「おい、待てよ!」

聖夜は、俺に振り返る。

「奈津、妖精がずっと傍に居ると思うなよ」

「え…」

『どういうことだよ!』

「妖精は、自分の使命を果たしたら、消えるんだよ」

き、消えるって…。

じゃあ、ハヤテも!

「ま、ハヤテは直ぐには消えないと思うけど」

『俺は、今のところ消える感覚は覚えていない。じゃあ、シビルは自分の使命を果たして消えたのか?』

「そうだ」

聖夜は、校門に向かって歩いていく。

「じゃあな、次はサッカーの試合で勝負しようぜ」

それだけ言うと、聖夜は行ってしまった。

「使命を果たした妖精は、消える…」

それは、前のルルと同じく消えるってことなのか?

いや、違うか…。

ルルは、不安定なまま生まれた妖精だったから、体が耐えきれなくて消えた。

でも、シビルはルルと違って使命を果たして消えた。

それはつまり、心に戻ったことになるのか?

それとも…。