妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【奈津】

「あ、聖夜いた」

「ん?」

たこ焼きを食べている聖夜を、俺とハヤテは見つけた。

「なんだ、お前か」

「久しぶりだな」

「あぁ」

聖夜は、たこ焼きのゴミを袋にいれ、俺のところに来る。

「久しぶりに会ってなんだけど」

「え?」

聖夜は、いきなり俺をひっぱたく。

「いった!!何すんだよ!」

「ちょっと苛つくことがあったから」

「い、一体なんだよ…」

「お前、望美泣かしただろ」

「うっ!」

な、なんで聖夜がそれを知ってるんだ!

「俺が知らないと思ったら大間違いだぞ」

「いや、その情報何処で仕入れたんだよ!」

「何処でもいいだろ」

聖夜は、深い溜め息をついたあと言う。

「俺さ、望美に自分の気持ち伝えたんだ」

「えっ!」

じゃあ、聖夜はまだ望美のことを…。

「俺は、はっきり言った。奈津への未練を断ち切らせるってな。だけど、あいつは…」

聖夜は、優しく微笑む。

「あいつらしい返事を、俺にしてくれたよ」

「望美らしい返事?」

「それは、お前が聞け」

「はぁ?!」

そこまで言ったなら、最後まで言えよ!