妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【望美】

「一年生、これそっちに運んで」

「はーい!」

私は、今体育館に来ている。

今は、ダンス部の為に舞台を設置中。

『ダンス部見てみたいなぁ』

「見れるんじゃないかな?」

先輩に指示されながら、私達は仮説ステージを運ぶ。

仮説ステージを組み立て終わり一段落。

「お疲れ様みんな」

『お疲れ望美!』

「ルルは、何もしてないでしょ…」

でもホントに疲れた。

仮説ステージ重かったし。

私は、天翔先輩の姿を探す。

「あ、そっか天翔先輩クラスの方があるのか」

『さっきかぼちゃの着ぐるみ着てたよ』

「ど、どこで見かけたのよ…」

かぼちゃの着ぐるみかぁ…。

私は、天翔先輩の姿を想像してみた。

「凄く可愛いと思う」

思わず笑がこぼれる。

「今日はもうこれでないから、クラスを手伝うなり、自由に学校回るなりしてね」

先輩の解散の言葉に、私は体育館を出た。

『望美、どこ行く?』

「うーん、どうしよう?」

クラスの方は、この時間帯なら人で足りてるだろうし。

「あれ、望美さん?」

「え?」

階段を登ろうとしたとき、有水の声が聞こえた。