「だから、僕は確認したかったんだ」

「なんですか?」

「奈津くんは、望美さんのことが好きだよね?」

「……」

なんでみんな同じこと聞いてくるんだとか思ったけど。

俺は、微笑み小林先輩に言う。

「好きですよ。まだ、望美のこと」

小林先輩には、素直に言うことが出来た。

「やっぱり、そうだよね」

「なにか、確信でも持っていたんですか?」

「うん、持っていたよ。君が、望美さんの為に必死になっているのを見てね」

「必死に?」

「実は、僕も望美さんのことが心配になって、病院に行ったんだけど」

小林先輩は、苦笑して言った。

「望美さんのことを心配する君を見て、奈津くんはまだ望美さんが好きなんだと、そう確信したんだ」

い、いつの間に…。

俺は、ちょっと照れながら小林先輩に言う。

「俺は、一度望美を傷つけて、悲しませた。酷い態度もとった。だけど…」

俺は、拳に力を込めていう。

「それでも、俺はまだ望美が好きだった。望美が怪我をしたのを見た時、凄く焦ったし…」

俺は、自分の気持ちを小林先輩に言っていく。

「ある男の子に言われて、俺の気持ちに気付かされた。だから、望美は誰にも譲る気はありません」

「そっか、その言葉が聞けて僕は嬉しいよ」

小林先輩は、再びかぼちゃの頭を付けて看板を持つ。

「その言葉、全部そのまま望美さんに伝えてあげてね。望美さんも、待っていると思うから」

「はい!」

俺は、小林先輩に頭を下げる。

「ありがとうございました。小林先輩」

「お礼はいいよ。頑張ってね」

小林先輩は、先に屋上から出て行った。