【奈津】

俺は、教室に戻るために階段を登っていた。

それぞれのクラスで出し物をしているクラスは、宣伝の為に出歩いていたりしている。

「なんか、中学と違うなぁ」

さすが桔梗祭だと思う。

「あれ、小早川さん?」

「小林先輩?」

小林先輩は、かぼちゃの着ぐるみをきて看板を持っていた。

「あの…、そのかっこは?」

「あぁこれ!僕のクラスは、お化け屋敷なんだ」

「お化け屋敷?」

あぁ、だから着ぐるみ着てるのか。

でも、なんでかぼちゃ?

「小早川さんは、どうしたんだい?」

「俺は、これからクラスに戻るところです。てゆか、苗字じゃなくて名前でいいですよ」

「じゃあ、奈津くん」

すると、小林先輩は急に真剣な表情へと変える。

「奈津くん、これから少し空いてるかな?」

「これからですか?」

この後は特に何もなかったし、今日はシフト入ってないし。

「はい、空いてますよ」

「じゃあ、ちょっと話しませんか?」

小林先輩は、かぼちゃの頭をとる。

「望美さんのことについて」

「望美の?」