文化祭当日――

学園内は、沢山の人達でいっぱいだった。

中庭には屋台があって、仮説ステージでは、軽音部がライブを行っていたり、とても活気的だった。

「いらっしゃいませー!メイド喫茶に寄って行きませんか?」

私達のクラスでも、数十人のお客さんが入ってくれていた。

「お帰りなさいませご主人様」

と、何故か佳絵羅がメイド服をきて接客をしている。

「なんで、佳絵羅うちのクラス手伝ってるの?」

私は、史絵に聞いてみる。

「私たちのクラス、ただの展示だからやることなくてさ、それで佳絵羅がやりたいっていうから」

もちろん、史絵もメイド服を着ている。

私は、今日は舞台スタッフの方が忙しいから、裏方としてジュースを入れたりケーキを用意している。

『そういえば、奈津はどこ行ったんだ?』

鏡を見ながら髪形を整えるコウヤが言う。

『後夜祭スタッフで呼び出しくらってるよ』

「奈津くんも大変だねぇ」

「そうだね…」

私は、紙コップにジュースを注ぐ。

「ところで望美ちゃん、奈津くんに気持ちは伝えたの?」

「ええ?!」

ジュースを溢しそうになり、慌ててバランスを取る。

「い、いきなり何聞いてくるのよ…」

「だって、望美ちゃんは奈津くんのことまだ好きでしょ?」

「そうだけど…、奈津はきっと私の事もう好きじゃないし…」

『そんな弱気でどうする!』

いきなりコウヤが私の目の前に来る。