妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「私は…なんてことを…」

その全てを、望美さんは持っていた。

私は、そんな彼女が羨ましかったんだ。

『駄目だよ有水』

「!」

私の目の前に、ヒュプが姿を現す。

「もう、私には無理だよ!フレイアを返してよ…」

私は、その場に座り込む。

『それは無理だよ。僕ちゃんと言ったよね?』

私は、ヒュプとの契約のことを思い出す。

「私には、もう無理だよ!私は、自分が何を欲しがっていたのか、ちゃんと分かったから…」

『そーれーはー、君自身のことだよね?』

ヒュプは、私の目の前に来る。

『でも、君の中にはちゃんと欲望があるよね?』

「欲望…?」

顔を上げ、ヒュプを見る。

『奪っちゃいなよ。何もかも、君が欲しいものを持っている望美から、全て奪っちゃいなよ』

ヒュプの言葉が、私の中でぐるぐる回る。

『望美からすべて奪うためには、君は何をするべきなのかな』

「私が、すべきことは…」

それは、望美を殺すこと…。

「望美を、殺すこと」

『そうそう。ちゃんと僕との契約さえ果たしてくれれば、フレイアは返してあげるよ』

とヒュプが姿を消そうとしたとき。

バン―――

後ろの方で、拳銃を撃つ音が聞こえ、弾が私の耳元を通過するのを感じた。

そして――

『うわぁぁぁぁぁ!』

ヒュプは、突然肩を抱えて倒れ込む。

そこからは、血が滲み出ていた。

「一体…、何が…?」

我に帰った時、後から足音が聞こえてきた。