妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

『俺達は、特殊な妖精なんだ』

『特殊な?』

『あぁ、ルルと同じくな』

「ルルと同じくって…」

ルルとフレイ達は、何か似ているというのか?

『まず、俺達は双子の神の力を授かっている』

「双子の神?」

『ヴィーナスが、決めたことだ。それで、ルルのことだが』

ハヤテは、じっとフレイを見る。

『ルルは、前に一度消えてるだろ?』

『な、何でそれを…』

『俺達神の力を与えられた妖精は、誰もがそれを感知できるようになってる。そして、消えた妖精は本来戻ることはない』

でも、それはヴィーナスのおかげで、ルルは新しい妖精として生まれ変わった。

『でも、ヴィーナスの力を授かったルルは、俺達と同じ立場に立ったんだ』

『だから、俺が感じなかった妖精の気配も感じることが出来たのか…』

『そうだ。俺とフレイアも感じることが出来る。シンクのことももちろん知ってる』

『それが、お前達の力か…』

『そうだ。でも、一つだけおかしな事が起きた』

フレイは、右手と左手を出す。

そして、手首には何か紋章が書かれていた。

『これは、俺がフレイアと繋がっている証拠だ。だけど……』

フレイは、左手首を俺に見せる。

「消えかけている?」

『あぁ、これはフレイアに何かあれば直ぐに分かる。そして…』

フレイは、左手を下ろすと言う。

『最近、フレイアの力を感じない』

「えっ、消えたのか?」

『いや、消えてはいない。消えたなら、俺の左手の紋章は消える』