妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【奈津】

「奈津、話がある」

新にそう言われ、俺は体育館の裏に連れてこられた。

(なんか、最近呼び出されることが多い気がする…)

新は、振り返り俺に聞いてくる。

「お前、まだ望美のこと好きなのか?」

「なんでお前までそんなこと聞いてくるんだよ…」

俺は、額に手を当てる。

もちろん、それを一番に聞いてきたのは奇跡だが、朝には玲緒と翔に聞かれた。

その後は、田星と夏村にだ。

「だって、聞きたくなるだろ」

「はぁ…」

俺は、溜め息をついたあと言う。

「好きだよ」

その言葉を聞いた新は、俺の肩に手を乗せる。

「なら、お前に有水のことを話しておく」

「水無月のこと?」

なぜこのタイミングで俺に?

「まず、フレイのことを話しておく」

フレイが新の隣に姿を現す。

ハヤテも俺の隣に来る。

「フレイとフレイアが双子の妖精だってことは、前に言ったよな?」

「あぁ」

「フレイが生まれたのは、俺達が双子だってことだからだ」

「…どういうことだ?」

「簡単にいうと、俺達は何も望まず、ただの双子ってことで、二人は生まれたってこと」

『何も望まずにか?』

そんなことで、妖精が生まれることがあるのか?

「ハヤテは、俺のサッカーが大好きって気持ちから生まれた。それなのに、フレイ達は何もないっていうのか?」

「そういうことだ」

『じゃあ、なぜ消えない?!』

フレイは、胸の前で手を組んで話し出す。