【望美】

文化祭前日―――

退院した私は、クラスでやる出し物の衣装の試着をさせられていた。

「あのぅ…、これは一体」

「なんですか望美?」

私を試着させているのは、もちろん佳絵羅。

凄く楽しそうに、私に服を着せている。

「なんで、こんなかっこなの?」

「仕方ないでしょ?望美が入院中、望美のクラスは、メイド喫茶をやるとなったから」

「そうだけど!なんで佳絵羅が私の服作ったの?!」

そうなんです。

私の服はもちろんのこと、他の子達が着るメイドの衣装を、佳絵羅が作ったのだ。

晶が佳絵羅に頼んだみたいなんだけど…。

『だって、このクラスにお裁縫できる人居ないんですもん』

リンは、腰に手を当てて言う。

『ルルたちのもあるの?』

「もちろん、妖精専用の服もありますよ」

『わーい!』

ルルは、嬉しそうに絵を描き始める。

「さっきから何を描いてるの?」

『望美のメイド服の姿』

「描かなくていい!」

「ほら、望美じっとしてください!」

「は、はい…」

私は、渋々佳絵羅の言うことを従う。