妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

『早く奈津を君のものにしてよ、じゃないと契約が成り立たないよ』

「そんなの…、もうどうでもいいよ…」

契約のことなんて、もうどうでもよかった。

奈津くんを私のものにする前に、奈津くんに嫌われたら駄目だ。

私の中で、奈津くんは大きな存在にまでなっていた。

奈津くんが欲しかった。

今まで欲しいものはたくさんあった。

友達や親の愛情…。

そんなものより、奈津くんが一番欲しい。

なんでここまで奈津くんに執着するのか、自分でもよく分からない。

でも、それくらいになるまで、私は奈津くんが本気で好きなんだと。

今ようやくわかった。

『契約を辞めるなんてこと、そんなことさせないよ』

ヒュプは、私の目の前に来る。

『だって、君は心から奈津を欲しがってる。なら、方法はただ一つだよ』

「ただ一つ…?」

『有水…』

ヒュプの言葉が私の中に響く。

『望美を消すんだよ…』

「望美を…、消す…」

『だから、君はあんなことをしたんじゃないか』

違う…、それは――

私は、頭を抱える。

『有水駄目だよ!ヒュプの言葉に耳を貸しちゃ駄目だよ!!』

『うるさいな』

ヒュプは、フレイアに手をかざし、小瓶の中に閉じ込める。

『ちょ、なにこれ!』

「フレイア!」

小瓶を奪い返そうとした時、ヒュプがそれを阻止する。