妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

『なに、この空気』

『ごめんね、奇跡人と話すの久しぶりだから』

「誰がなんだって?」

奇跡は、ギロリとシンクを睨みつける。

『いえ、何でもないです』

そのやり取りが面白くて、つい笑ってしまった。

「奇跡は、大丈夫なの?両親心配してるんじゃ…」

「気にしなくていい」

奇跡は、本を閉じて立ち上がる。

「俺には、両親なんて居ない」

「えっ!」

じゃあ、孤児?

「ご、ごめんね」

「別にいいさ…」

奇跡は、表情を変えることなく、そう言った。

だけど、私から見たら、何処か寂しさを感じた。

「奇跡、ちょっとこっち来て」

「なに?」

奇跡は、私の隣に来る。

「しゃがんでくれる?」

「え…?」

奇跡は、言われるがまましゃがみこみ、私は奇跡の頭を優しく撫でた。

「――!」

奇跡は、驚いて目を見開く。

「あのね、これは奈々美さんが良くやってくれたんだ」

「な、なんで俺なんかに!」

奇跡は、恥ずかしかったのか、少しだけ頬を赤くしていた。

「何でなんだろう…。凄く、やりたくなったの」

やっぱり、恥ずかしかったよね。