「名前が、まだだったね。私は、莎々原望美」

『ルルだよ』

「俺は、小早川奈津」

『ハヤテだ』

「お前達のことは、よく知ってる」

「知ってる?」

なんで私達のこと知ってるんだろ?

「今日のことは、シンクから聞いた」

奇跡は、私を見てきて言う。

「体は…、大丈夫なのか?」

「あ、うん。多分大丈夫」

「なら、いいけど」

奇跡は、一瞬悲しい表情を見せたけど、直ぐに元の表情へと戻った。

「ちょっと、俺そこの奈津と話があるからいいか?」

「え?」

「奈津と?」

奈津と私は、顔を見合わせた。

「そう、一つ聞きたいことがあるから」

奇跡は、奈津を連れて病室から出て行った。

『大丈夫なの?』

『大丈夫だよ。奇跡は、意地悪だけど、とても優しいから』

『それならいいが』

私は、二人が扉を見つめた。