「なぁシンク、お前さ――」

俺は、思っていた事を聞いてみた。

「ホントは、気づいてるんだろ?あの、奈津がおかしくなった理由」

『えっ…』

俺は、シンクの返事を待たずに調査を続ける。

『な、何でそんなこと思うの?』

「俺は、お前の持ち主で、お前は俺の心だからな。分かるさ」

俺に隠そうとするのは、無理なことだ。

『…さすが私の持ち主だね』

シンクは、宙に浮くと俺の目の前に来る。

『私達がこの時代に来たのは、望美達を救うため』

「そして、あいつの手がかりを見つけるため」

『うん!』

「…ふっ!やっぱりなぁ!」

『えっ?』

俺は、シンクに指をさす。

「お前さ、とっくに記憶戻ってるだろ」

『…な、何のことかなぁ』

「嘘つくの下手すぎなんだよ、ばーか」

『ば、馬鹿って酷くない?!』

俺は、軽く笑い携帯をしまう。

『いつから、気づいてたの? 』

「今さっき気づいた」

『ははは、ホント流石だよね奇跡は』

シンクは、真剣な表情へと変える。

『ねぇ奇跡、私達がこの時代に居られるのは、あとどれくらいある?』

「…そうだな」

俺は、指輪の反応を見る。

「もって、あと三ヶ月くらい」

『そっか…』

ま、三ヶ月経つ前に俺達はこの時代から消えないといけない。

「時空が歪み始めてるんだ。オルドもそれに気づいている。だから、今度お前に会ったら、オルドは本気でお前を捕まえにかかるぞ」

『こ、怖い脅しは辞めてよ』

「脅しじゃない、忠告だ」

こんなところで、捕まるわけにはいかないしな。