妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

俺は、脳裏に水無月の姿が浮かんだ。

(いや、あいつと決めつけるのは早いか…、流石にあいつも命に関わることをするはずかないし)

『ねぇ奈津、望美が目を覚ますまで居てあげて?』

「…」

直ぐに言葉が出てこなかった。

俺は、望美に酷い態度ばかり取っていたし、俺は望美と話すのが嫌だった。

でも、今の俺は望美の傍に居たいと思っていた。

「分かった」

シンクは、ホッとした表情を見せたあと、病室から出ていこうとする。

『どこに行くのシンク!』

咄嗟にルルが止める。

『奇跡のところに…、直ぐに戻るから待ってて』

シンクは、病室から出て行った。

「望美……」

俺は、望美の髪を撫でる。

「…ごめんな…」

ポツリと、俺の口からその言葉が溢れた。