妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

『望美が、木材の下敷きになっちゃったの!』

『え!』

「そ、それはホントか!」

『うん!今シンクが頑張って入ろうとしてるんだけど、中々入れないの!』

望美が、木材の下敷きに…。

『このままじゃ、望美が!』

ルルの言葉が終わると同時に、俺は走り出した。

『な、奈津!!』

「望美!!」

俺は、生徒達をかき分け、木材をどかし始める。

「…望美!」

なんで俺は、こんなに焦ってるんだ。

でも、動かないわけにいかなかった。

『奈津!』

シンクが俺の姿に気づく。

「シンク、望美がどこに埋まってるか分かるか?」

『多分この先!』

俺は、更に木材をどかし始める。

「おーい!奈津!」

「新・玲緒!」

「一体何があった?」

騒ぎを聞きつけた新と玲緒が、俺の近くに来る。

「望美が、木材の下敷きになってるんだ!」

俺は、手を動かしながら二人に説明する。

「でも、お前は…望美と」

「そんなことどうでもいい!」

俺は、振り返っていう。

「動かずには、居られなかったんだよ…」

「奈津…」

「お前、やっぱりまだ望美さんのこと」

『奈津!望美の手が見えた!』

シンクの指さす先に、俺は目を向ける。