妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

単なる私の願いだけど。

ハヤテは、私を見ると何故か笑った。

『何だよ、もう見つかってんじゃん』

『え?』

『ルルの役目は、それでいいと俺は思う。望美とその周りの人たちを繋げる役目。今のルルにピッタリだと思うぜ』

ハヤテは、笑ってそう言う。

それが、私の役目でいいなら―――。

『なら私は、その役目をまっとうできるように頑張るよ!』

『あぁ、俺も応援する』

『ありがとうハヤテ。ハヤテが居てくれて良かった』

『そ、そうか』

ハヤテは、頬を赤くして再びサッカーボールを頭の上に乗せた。

『ハヤテ!大好きー!』

私は、ハヤテに飛びつく。

『うわぁ!ま、また!!』

私は、慌てるハヤテにお構い無しに抱きつく。

『はぁ…』

ハヤテは、サッカーボールをしまうと、小さな声で言った。

『俺も…、好きだよ…』

そんな私たちの後ろを、真紅の蝶が通り過ぎる。

『!』

私は、その気配に気づき辺りを見回す。

『ルル?』

ハヤテは、私の様子に気づき辺りを見回す。

『今……、妖精の気配感じた…』

でも、とても不安定な気配だった気がする。

でも、一瞬だったこともあって、もう気配は感じなかった。

『一体……誰なの?』