妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【望美】

ガシャーン――

「えっ?!」

いきなり木材が倒れてきてびっくりした。

「びっくした…」

『いきなり倒れたね…』

『そうだね…』

私は、木材をもう一度立てるためその場を離れる。

「倒れるようには見えなかったけどなぁ」

誰か倒したのかな?

と思ってあちこち見渡すけど、私達以外の人は見当たらない。

「ま、いっか」

木材を立て直し、もう一度木材を数え始める。

それから数分して。

ガシャーン――

また木材が倒れた。

『ひぃ!やっぱ誰か居るんじゃないの?!』

シンクは、怯えながらルルの後ろに隠れる。

『大丈夫だよ。幽霊じゃないし』

「でも、やっぱりおかしいよね…」

もう一度木材を立て直そうとした時――

ガタガタガタ――

「えっ?!」

急に木材が揺れ始めた。

『な、なに?地震?!』

『いや、これは違う気が…』

「でも、ここに居たら危ないかも…」

急いでその場を離れようとしたけど、木材が倒れ込んできて、逃げ道を塞がれてしまった。

「ど、どうしよう!」

『あ、望美あの隙間から出られそうだよ』

「う、うん!」

でも、私は倒れてくる木材に違和感を覚えた。

誰もいないのに、何故こんなに倒れたり揺れたりするのか分からない。