妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「ご、ごめんね!聞いちゃ駄目だったよね」

天翔先輩は、気まずそうに視線を逸らす。

「天翔先輩…」

私は、天翔先輩に近寄る。

「聞いてくれますか?私の話…」

「えっ?僕なんかでいいの?」

「はい、天翔先輩だから…。話せると思います」

「望美さん…」

係長に休憩をもらって、私達は体育館の裏で座っていた。

そして、奈津のことをはなす。

「小早川さんと、別れたんだね…」

「はい…」

まだやっぱり胸の辺りが痛くなる。

私は、痛くなる胸を抑える。

「望美さんは、まだ小早川さんの事が好きなの?」

「…はい。好きです」

天翔先輩の前では、素直にこの言葉が出てきた。

「そっか…。新しい恋とかは求めないの?」

天翔先輩は、聖夜くんと似たようなことを言ってきた。

「そうですね…。多分無理です」

私は、天翔先輩に笑っていう。

「だって、こんな関係になっても、私はまだ奈津の事が好きですから」

好きだからこそ、もう一度奈津の隣に立てるように頑張りたい。

「…じゃあ、僕は応援するよ!」

天翔先輩は、立ち上がっていう。

「何かあったらいつでも相談してね、出来る限り僕も力を貸すから」

「ありがとうございます!」

私は、ここで聖夜くんの言葉を思い出す。

『望美の周りには、力になってくれる奴らが沢山居るだろ?』

聖夜くんの言った通りだったよ。

「おーい、一年生」

「はい!」

係長に呼ばれて、私は天翔先輩に軽く頭を下げて体育館の中に向かった。