「ありがとう、聖夜くん」

私は、それだけ言った。

「やっぱ、望美らしいな」

「ごめんね」

ごめんね聖夜くん。

聖夜くんの気持ちは、凄く嬉しい。

だけど、私はやっぱりまだ奈津が好き。

多分この気持ちが変わることは、ないと思う。

「なら、もう一度奈津を惚れさせて見せろ」

「ほ、惚れさせろって」

「だって、そうすれば奈津はお前のものだ」

そんなこと、出来るのかな?

もう一度、奈津を好きにさせることなんて…。

「諦めたら駄目だぞ」

聖夜くんは、私の肩を叩く。

「望美の周りには、力になってくれる奴らが沢山居るだろ?ルルだってそうだし、俺もそうだ」

「聖夜くん…、ありがとう」

聖夜くんの顔が綻ぶ。

「頑張れよ。俺は、応援してる」

「うん…」

その後、私と聖夜くんは別れた。

聖夜くんに手を振り、私は駅へと向かった。

「…これで、少しは前に進めたかな?なぁ、シビル……」