『これは、主と妖精を繋ぐ紋章』

靴下を履き直して、シンクは真剣な眼差しへと変わる。

『多分もうすぐ、ルル達にもつくよ』

「それって…」

『余計なことを言ってもらっては困る』

「―――!」

目の前で男の人の声が聞こえた。

『お、オルド』

「オルド?」

オルドって誰?

オルドと呼ばれた妖精は、私達の前にゆっくりと飛んでくる。

シンクは、蝶の姿に変わり私の後ろに隠れる。

『シンクに何か用?』

ルルがオルドの前に立つ。

『どけルル、俺はシンクに用がある』

『どかない!理由を言って』

『お前に言っても無意味だ』

『きゃあ!』

オルドは、ルルを吹き飛ばす。

「なんだこいつ!」

「ルル!」

私は、ルルを受け止める。

『力の強いお前でも、俺に勝つことなど出来ない』

シンクは、私の髪に止まる。

『こいシンク、お前はここに居ては駄目だ』

「どういうこと?!」

『そいつは――』

その時―――

バンバンバン―――

どこからか銃声が聞こえ、林の中からオルドに向かって紅い光が向かってきた。

『ちっ…』

オルドは、それを避ける。

「今だ!逃げるぞ!」

聖夜くんに手を引かれ、私達は走り出した。