妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「奈津?」

「うわぁ!」

すると、俺の隣には知らないうちに望美が来ていた。

「どうしたの?さっきから元気なさそうだけど?」

「そ、そうか?そんなふうに見えたか?」

「うん」

元気はあるんだけど、望美に心配かけちゃったな…。

「俺は、大丈夫だよ。望美こそ、緊張してるんじゃないのか?」

「な、何で分かったの?!」

あれ、冗談で言っただけなのに。

「な、なんとなく…」

「やっぱり分かっちゃうかぁ…。緊張と言っても、部活のことだったり、クラスのことだったり」

そうだ、望美は部活のことで凄く悩んでいたな。

俺は、さり気なく望美の手を握る。

「奈津?」

望美の手が熱くなるのを感じた。

「心配することないだろ?望美は、この学校で絵を学びたくて来たんだからさ、それに俺や田星たちも居るし、大丈夫さ」

俺は、望美に微笑みかける。

「ありがとう奈津…。奈津や晶たちが居てくれて良かった」

「俺も、望美が居てくれてよかったよ」

俺は、握る手に力を込める。

「それに、何かあったら俺がすぐ行くから!」

「うん!」

俺は、少しだけ勇気を出していった。

「あ、あのさぁ望美…」

「なに?」

「望美の誕生日の日に行く遊園地さ、そこで俺の気持ち伝えるから、聞いてくれないか?」

「?うん…?」

望美は、軽く首を傾げる。

俺には、やっぱり望美しかいない。