【望美】

休日が過ぎ、私は奈津を待っていた。

「遅いなぁ奈津…」

いつもなら奈津が来る時間帯になるんだけど、奈津が中々来ない。

電話しても繋がらないし、LINEの返事も返ってこない。

「何かあったのかな?」

私の中で不安が過ぎる。

『大丈夫だよ望美』

シンクが私の肩に座る。

『もしかしたら、寝坊してるだけかもしれないし』

『そうそう。奈津だって寝坊するかもしれないし』

「それなら、良いんだけど…」

シンクとルルが私を元気づけようとしてくれるけど、私の中で不安は消えない。

(なんだろう、この嫌な感じ)

とりあえず、奈津には『先に行くね』と送り、私は駅へと向かった。

駅にはいつも通り晶達が居た。

晶達も奈津が居ないことに不思議がっていたけど、電車の時間になっても奈津は来なかった。

「……」

私の足取りは重かった。

いつもなら奈津からの返事はとっくに返ってきている。

だけど、奈津からの返事はない。

(奈津…、どうしたんだろ?)

教室に入った時、私は奈津が突っ伏して寝ている姿を見つけた。

「奈津!」

私は、急いで駆け寄る。

「奈津!大丈夫?!」

「ん…」

奈津は、眠たげに目を擦って私を見る。

「あれ…、望美?」

「そうだよ!体は大丈夫なの?」

「あぁ…、なんか物凄く眠い」

「そっか…」

学校で寝るために早く来てたのか。