妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

そこで二人がドヤ顔をするから、更にイラつく。

「ちなみに、俺は大人のキスもした」

「は?大人のキス?」

「すごーい!玲緒くんもうそこまで行ったんだ!」

ちょ、ちょっと待てよ……。

大人のキスってなんだ?

普通のキス以外に他にやり方があるのか?

「それは、お前が自分で学べ」

二人は、先にホームから出た。

『大変だな、お前も』

「ほっとけ……」

俺は、二人の後ろを付いていきつつ、望美に目を向ける。

ちょうど望美に目を向けたとき、互いの視線が重なった。

頬が熱くなる。

望美も少しだけ頬を染めて、俺に笑い返してくれた。

「あー……もう…」

本当に望美の笑顔は、可愛くてしょうがない……。

二年前よりも、望美を大好きになっている俺に、キスをしろとか無理だ…。

(理性保てねぇだろ…)

俺は、理性の保ち方をまだ身につけていない。

だから、望美にキスをして自分を何処まで抑えられるか分からない。

(いや…、これはただの言い訳か……)

俺もヘタレだよな…。

でも、一応玲緒たちが言っていたことも、頭の中に入れとくか。

「望美は、どう思ってるのかな?」

やっぱり、キスしたいとか思ってるのかな?

『直接聞けばいいだろ?キスしたいかって』

「聞けたら苦労しないよ」

俺は、また深い息を吐く。