妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【望美】

「あのー…」

部活が終わったあと、私は雪南と向かい合っていた。

もちろん、シンクのことについて雪南から聞かれている。

「貴女、真紅の妖精といる子でしょ?」

「な、何のことですか?」

とりあえずとぼけて見るけど、雪南は疑わしい目で私を見てくる。

(視線が痛い…)

「…じゃあはっきり言うね。私は、真紅の妖精の持ち主じゃない」

「え…」

『やっぱり』

「もちろん、そこにいる妖精も見えてる。私は、ある奴から頼まれたんだよ」

雪南は、そう言い腕を組む。

「ある奴からって?」

「見た目は私より年下の男の子で、こう聞かれた。真紅の妖精を見なかったかって」

「じゃあ、その男の子がシンクの持ち主?!」

「ふーん、シンクって言うんだ…」

雪南は、目を細める。

「だから、そういう事。真紅の妖精の居場所知ってるなら教えて」

『貴女のことまだ信用出来ない』

「ルル?!」

ルルは、雪南の目の前に行く。

『もしかしたら、嘘って事もあるかもしれないから。シンクの居場所を知ってどうするの?!』

「持ち主に返すんだよ。ただそれだけ」

ルルは、じっと雪南の瞳を見る。

雪南もルルをじっと見る。