妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【奇跡】

「今……」

あいつの気配を感じた。

しかし、一瞬のことだったから居場所を見つけられない。

「この時代から始まったのか?」

俺は、指輪を見つける。

「ここで何をしろっていうんだよ…」

指輪をポケットにしまい、歩き出す。

「こんなこと、してる暇ないのに…」

早く俺達が行くべき所に行かなければ、俺の使命が果たせない。

「てゆーか、あいつの記憶が戻らない事には鍵が使えないし…」

何であいつの記憶が消えたのかは、何となく分かる。

多分思い出すきっかけになるのは…。

「はぁ……」

俺は、深く息を吐く。

「俺は、この時代が嫌いだ…」

俺は、横断歩道を渡る。

「何も知らず、普通に生きるこの時代の奴らが、俺は大嫌いだ…」

俺は、空を見上げる。

「…空は、同じなのに…」