妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「俺は、未来を見る力なんて持ってない。それは、お前自身が見つけろ」

『うん』

私は、頷き蝶の姿に戻る。

『またしばらく会えないけど、一つだけ聞きたい』

「なんだ?」

『貴方の名前―――』

彼は、軽く舌打ちすると、嫌そうに答えた。

「こ……。小日向奇跡(こひなたきせき)だ。ちゃんと覚えとけバーカ」

『馬鹿じゃないし!ちゃんと覚えたよ!』

奇跡は、フッと笑うと歩き出した。

「お前の力を使いたかったら、必ず俺を呼べよ。その時は、必ず来る」

『分かってる』

それを最期に、私達は別れた。