【シンク】
私は、ある公園へと向かっていた。
オルドに気配を探られないように、蝶の姿で移動していた。
『ここにいるはず…』
木々を抜けると、そこにはある男の子が本を読んでいた。
(この人が…)
私は、確認するため彼の肩に止まる。
すると―――
「今までどこに行ってたシンク。心配したんだぞ」
『やっぱり、貴方が…』
「その貴方がって言うのやめろ、お前がお前じゃないみたいで気持ち悪い」
『き、気持ち悪いって失礼でしょ?!』
「事実だ。安心しろ、今オルドの気配はしない」
その言葉を聞いて、私は元の姿に戻る。
「それで、記憶は戻ったのか?」
『…全然』
「それでよく俺の居場所が分かったな」
『何かに引き寄せられる感じがした』
彼は、チラッと指輪を見る。
「あっそ…。でも、時間がない。ここに居られる時間はそんなに残ってないぞ」
『うん…、でも何かやらなくちゃいけない事があると思ってるの』
「俺達がここに来たのは、本来手違いなんだ。過去に深入りすると、帰れなくなるぞ」
『分かってる。それでも…』
私は、手に力を込める。
「俺達がここに飛ばされたのは、何か理由があると思っているのか?」
『多分…、そうだと思う』
「……」
彼は、読んでいた本を閉じた。
私は、ある公園へと向かっていた。
オルドに気配を探られないように、蝶の姿で移動していた。
『ここにいるはず…』
木々を抜けると、そこにはある男の子が本を読んでいた。
(この人が…)
私は、確認するため彼の肩に止まる。
すると―――
「今までどこに行ってたシンク。心配したんだぞ」
『やっぱり、貴方が…』
「その貴方がって言うのやめろ、お前がお前じゃないみたいで気持ち悪い」
『き、気持ち悪いって失礼でしょ?!』
「事実だ。安心しろ、今オルドの気配はしない」
その言葉を聞いて、私は元の姿に戻る。
「それで、記憶は戻ったのか?」
『…全然』
「それでよく俺の居場所が分かったな」
『何かに引き寄せられる感じがした』
彼は、チラッと指輪を見る。
「あっそ…。でも、時間がない。ここに居られる時間はそんなに残ってないぞ」
『うん…、でも何かやらなくちゃいけない事があると思ってるの』
「俺達がここに来たのは、本来手違いなんだ。過去に深入りすると、帰れなくなるぞ」
『分かってる。それでも…』
私は、手に力を込める。
「俺達がここに飛ばされたのは、何か理由があると思っているのか?」
『多分…、そうだと思う』
「……」
彼は、読んでいた本を閉じた。



