【望美】

「良かったー!」

私は、一安心していた。

「天翔先輩が同じスタッフで」

「ぼ、僕も嬉しいよ」

私は、天翔先輩の隣に座る。

「知らない人ばかりだったんで、先輩が居て助かりました」

「実は、僕も同じなんだ」

天翔先輩が一緒でホントに良かった。

一人でも知り合いが居れば心強い。

『これは、凄く偶然だね』

『…偶然すぎる気がするけど…』

私達は、先輩の話を聞いてメモを色々と取った。

「僕達舞台スタッフは、主に演劇部やファッション部から依頼を受けて、舞台の設置をするのが仕事」

「そうなんですか?」

「そう、だから当日はかなり忙しいけど、後夜祭は何もないから」

天翔先輩は、私に色々と話してくれた。

やっぱり去年文化祭を経験してるからなのか、分からないことが直ぐに分かった。

「だから、後夜祭は小早川さん誘ってみたらどうかな?」

「は、はい!」

でも、奈津後夜祭スタッフだけど、空いてるかな?

もし空いてなかったらどうしよう?

『ここは、二人でこっそり抜け出すとか』

ルルが私にヒソヒソと話してくる。