「以上が、今年文化祭でやる後夜祭の内容だ。各自頭の中に入れたな?」

生徒会長らしき人物の「解散」という言葉で、みんなは一斉に動き始めた。

もちろん、俺も水無月を撒くため足早に生徒会室を出た。

「ま、待ってよ奈津くん!」

「付いてくんな」

「いいじゃない、一緒の部活じゃん」

「部室は違うだろ」

「でも、一緒に行かない?」

「嫌だ」

俺は、走り出して階段を駆け下りた。

「やっぱり、一筋縄では行かないか…」

教室に戻ると、そこには新がいた。

「新?何してんだよお前、部活は?」

「お前を待ってたんだよ。その様子だと、有水と同じスタッフだったんだろ?」

「ああ、そのとおり」

俺は、椅子に座り教科書を机の中にしまう。

「一応分かってると思うが、文化祭の時有水には気をつけろ」

「分かってるよ」

そんなの、言われずとも分かってる。

だから、俺は水無月に心を許さない。

「俺もこの事は予想してなかった。悪かった」

「新のせいじゃないさ、それより部活行こうぜ」

「そうだな」

新は、俺の隣を歩いて一緒に部室へと向かった。