【有水】

『有水ー!上手くいったよ!』

「ホント?!流石フレイア」

フレイアは、わたしの肩に座る。

『バッチリ!これで、奈津は有水のものになったも同然』

フレイアは、自信満々だった。

「なら、作戦は早く実行しなくちゃね」

今日の放課後、後夜祭スタッフは集まるように話を聞かされているはず、奈津くんも必ずくる。

「少し驚かせてあげようかな」

私は、今日やることを携帯にメモった。

「私が奈津くんを奪ったら、望美さんはどんな顔をするのな、楽しみね…。ふふ―」

『ギャフンと言わせてやろうよ!望美なんかより、有水の方が奈津とお似合いだもん!』

「ありがとうフレイア。私もそう思ってるから」

純粋な恋愛なんて、そう長続きするはずないじゃない。

いずれどちらかが必ず別れを告げるんだから。

「恋愛なんて…、みんなそうだ…」