妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

そして、また奈津は顔を赤くする。

「そ、そんな顔で俺を見るな!」

「なんで?」

「だ、だって!」

奈津は、私から視線を逸らす。

私何か変なことしたかな?

『これだから無自覚ど天然は…』

『これは、ある意味望美の技だよね』

『いい雰囲気だから、結果オーライ』

ルル達が見ていたことをすっかり忘れてて、恥ずかしさが後から込み上げてくる。

「と、とりあえず急ごう!電車の時間に遅れちゃう…」

「そ、そうだな…」

奈津は、私の手を握ってくれたまま、足早に駅へと向かった。

「奈津、さっき何を言いかけたの?」

「そ、それは…」

でも、やっぱりさっき言いかけた事は気になってしまう。

「か、可愛かったんだよ!望美のさっきの顔が!」

「えっ?!」

奈津に引き寄せられ、また互いの唇が重なる。

「んんっ?!」

「キスした後の顔が、凄く可愛いんだ…」

耳元で囁かれ、体中が熱くなる。

「わ、分かった!え、駅急ごう?!」

奈津は、ちょっと悪戯気に笑ったけど、それ以上は何も言ってこなかった。