妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「親友は関係ないだろ!」

「教えてくれてもいいじゃん、奈津くん」

いや、教えたら絶対笑うだろ!

てゆか、話したくない…。

「もしかして、まだキスしてないとか言わないよな?」

「なっ…!」

ずばり図星を指された。

今から正直に言うが、俺は望美と付き合ってこの二年間、キスはしていない。

「まさかの図星なの奈津くん?!」

「……」

俺は、何も言い返せなかった。

「全く…、そうだろうと思っていた」

「思っていたってどういう意味だよ!」

「予想していたんだよ。お前のことだから、手を繋ぐことくらいしかしていないと思ってな」

また図星を指される。

「奈津くんって、もっと手が早いかと思っていたけど、結構奥手なんだね」

「べ、別いいだろ!俺の問題なんだから!!」

「良くない!」

玲緒は、眼鏡の奥を光らせる。

「キスの一つもしないカップルが、今後長続きすると思ったら、大間違いだぞ!!」

玲緒の迫力に、俺は思わず一歩下がる。

「望美さんだって、他の男の人に惹かれるかもしれないからな」

俺は、その言葉にイラッときた。

「そんなわけないだろ!望美に限ってそんなことない!」

「いや、分かんないよ」

翔は、そう言い柳原に目を向ける。

「だって、僕が史絵を構ってあげないと、あの子いじけちゃって他の男のところに行っちゃうんだ」

「いや、それただあいつがイケメン好きなだけだろ……」

「ま、それは置いておいて、よく見てみろ」

俺は、望美たちに目を向ける。

「あそこにいる奴ら、みんな望美さんたちを見ているぞ」

待てよ…、俺にはその視線は全部絛の方に向いていると思うんだが…。

そんなことを考えてみたが、よく見てみると男たちの数人は、望美に目を向けていた。

俺は、それを見て一瞬焦った。