妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「き、今日新が部活休んだんだよ」

「え?」

「家の用事とかでさ、その時は水無月の奴も休んでて、それで……」

「それで?」

奈津は、口元で何かブツブツと言っていた。

『正直にいえ』

「う、五月蝿いぞハヤテ!」

『お前がちゃんと言わないと、望美に伝わらないだろ!』

奈津は、ハッとしたのか私に向きなおる。

「の、望美が…」

「私が?」

「望美が心配だったんだ!」

「え…?!」

思ってもみなかったことが耳に届き、私は目を瞬かせる。

「今日水無月や新が居なくて、もしかしたら水無月が望美に変なことしてて、新がそれを止めに行ったんじゃないかって……」

奈津の頬がみるみる赤くなる。

「そ、それだけ!」

『遊園地でプロポーズしときながら、何でこういう事で恥ずかしくなるのか分からない』

ハヤテは、やれやれって感じて溜め息をつく。

私は、微笑んで奈津の手を握る。

「望美?」

「心配してくれてありがとう。その気持ちが知れて、凄く嬉しい…」

「そ、それはだって…」

奈津が、私の手を強く握る。

「望美は、大切な人だから…」

「奈津…」

私が奈津を見つめたとき、奈津の顔が私に近づいてきて、奈津の唇が私の唇に触れる。

「んっ…」

私は、目を閉じた。

これで、二回目のキス――

奈津の顔が離れ、私は頬を赤く染めて奈津を見上げる。