妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【望美】

放課後―――

今日は、少しだけ部活の時間が長引いちゃって、私は急いで片付けをしていた。

「ごめんね望美さん、急いでるのに…」

「いえ、先輩と一緒に絵が描けて楽しかったです」

「そ、そっか」

先輩の頬が赤くなり、リーゼルを奥の方へとしまう。

『そろそろ奈津が待ってる時間じゃない?』

ルルに言われ時計を見ると、針は七時を指していた。

「ホントだ!」

でも、先輩一人に片付けさせるわけにもいかないし…。

「望美!」

「え?!奈津!」

急に美術室の扉が開かれ、そこには奈津が息を切らして立っていた。

「どうしたの?!そんなに急いで」

私は、ハンカチを取り出して奈津の汗を拭う。

「ちょっと、心配になって」

「あ、ごめんね。今片付けてて」

「そっか…、望美が無事ならそれでいい」

何かあったのかと聞こうとした時――。

「望美さん?誰か来た?」

天翔先輩が、リーゼルを片付けて戻ってきた。

「こ、こんにちは」

「こんにちは、君は――?」

「望美を迎えに来ました」

「迎えに…?」

天翔先輩は、数秒考えると答えが出たのか頷く。

「なるほど…。僕は、美術室の部長をしてる、小林天翔です」

「小早川奈津です。よろしくお願いします」

奈津は、天翔先輩に頭を下げる。

「そんな畏まらないでよ、恥ずかしいって」

「す、すみません」

私は、鞄の中に筆箱やノートをしまう。

「すみません小早川さん、彼女にはいつも片付けを手伝ってもらってて」

「あ、いえ…。俺は、別に…」

天翔先輩は、首をかじける。

「ちょっと…、心配になっただけなんで」

準備をし終えた私は、奈津の所へと行く。

「それでは、先に失礼します先輩」

「うん、また明日ね」

先輩は、軽く手を振ってくれて、私達は美術室から出た。