【ルル】

『失恋したねこの人』

『シンク?』

『天翔は、望美が好きだったんだね』

『そうだよ、でもまだ失恋したとは言えないよ』

『なんで?』

私は、天翔先輩に指を指す。

『あの人、今自分の気持ちに気づいたみたいだし、多分これからだよ』

『奈津に恋のライバル登場とか?』

『そうだね』

なんか、面白くなってきた。

でも、どんなに天翔が望美に積極的になっても、二人が離れるなんて事はない。

二人は、切れない糸で結ばれたから。

『いいなぁ、私もハヤテにあんなこと言われたい』

『妖精って、結婚出来るのかな?』

『どうかな?聞いたことないけど』

ハヤテと結婚かあ…。

私は、頭の中で結婚式の場面を想像した。

『なんか、凄く幸せ!』

『きっと出来るよ』

本当にその日が来たら、どんなに幸せだろうか。

でも、私なんかより望美と奈津の方が、ずっと幸せなんだろう。

私は、望美の子供が生まれるのが凄く楽しみ。

『ルル!絵の続き描いて?』

『いいよ!』

そんな私達の話を、聞いていた人物が居たことに、私達は気づかなかった。