「じゃぁ、私も描こうかな…」

「じゃあ、一緒に描く?」

「はい!」

私は、天翔先輩の隣に座って絵を描き始める。

「そういえば、若菜先輩はどうしたんですか?」

「若菜は、今日生徒会の方で仕事があるから、今日は部活に来ないんだ」

「若菜先輩凄いですね、生徒会と部活を両立しているなんて」

「若菜は、頑張り屋だからね。ちゃんと休んでほしい時もあるんだけどね」

やっぱり、天翔先輩は若菜先輩のことちゃんと考えてるんだなぁ。

「その気持ち分かります」

「誰かそういう人がいるの?」

「はい…」

私は、一度鉛筆をおき、外の方に目を向ける。

「夢を追いかけて頑張る姿は、凄くかっこよくて、でも休める時はちゃんと休んでほしい。そう、感じる人がいます」

『望美…』

「…もしかして、好きな人?」

「ええ?!」

そう聞かれ頬が熱くなる。

な、何で分かったんだろう?

「そ、そうです…」

最後の方で声が小さくなる。

「前に一度、望美さんが男の人と歩いてるのを見かけたんだ。その人が好きな人?」

「は、はい…」

男の人にこういう話をするのは初めてだっから、少しだけ恥ずかしい。

「そっか…」

「天翔先輩?」

天翔先輩は、手を動かし始めた。