妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

放課後―――

奈津と階段で別れて、私は美術室へと向かう。

結局私以外に美術部に入部したのは二人だけ。

一人は男の子で、もう一人は女の子。

二人ともクラスが違うから、滅多に話す機会はない。

『美術室ー!美術室ー!』

シンクは、楽しそうに宙でダンスをする。

「楽しそうだねシンク」

『だって、望美の絵好きだもん』

「ありがとう」

廊下を歩いていると、美術室から天翔先輩が出て来る。

「こんにちは天翔先輩」

「えっ?!」

私の存在に気づいて居なかったのか、先輩は慌ててる。

「や、やぁこんにちは」

「?」

最近の天翔先輩は、最近様子がおかしい。

私と会うと慌てたり、若菜先輩と何か話してて赤面してたりなど…。

挙動不信というか…。

「いつも早いね」

「早く絵を描きたいので」

天翔先輩と一緒に、絵を描く準備を進める。

「今日亜鈴さん来ないから、自由制作にしようと思ってるんだ」

「そうなんですか?じゃあどうしようかな?」

今日は特にこれを描きたいっていうのは考えてこなかったし、どうしようかな?

「先輩は何描くんですか?」

「僕は、文化祭のポスターを描こうと思ってるんだ」

「文化祭のポスター?!」

そっか、もうそんな時期なんだ。

すっかり忘れてた。