妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【奈津】

俺たちが電車に乗る前―――

突然翔が男同士の話があるからと言って、柳原を野々原たちのところへ行っているように言った。

少し珍しく感じて、俺は翔に聞く。

「男同士の話って何だよ?」

「それは、玲緒くんから聞いてよ」

「はぁ?」

いや、言い出したの翔だろ。

「だって、あぁでも言わないと三人になれないじゃない?」

それは言う通りだけど、だからって何で玲緒なんだ?

俺は、玲緒へと目を向ける。

玲緒は、眼鏡を光らせて俺に言った。

「奈津、近々望美さんの誕生日らしいな」

「そうだけど?」

玲緒の言う通り、四月十四日は望美の誕生日だ。

「それがどうかしたのか?」

「お前たち、何処まで行ったんだ?」

最初玲緒が俺に何を聞いたのか分からなかった。

「何処までって…、付き合って二年経つけど」

「いやいや、そういうことじゃないよ。玲緒くんが言いたいのは…」

「キスとかしたのか?」

俺は、突然の玲緒の発言に顔が真っ赤になる。

「な、なな何言ってんだよ!!」

俺は、怒って玲緒に言い返す。

「何で急にそんなこと聞いてくるんだよ!!」

びっくりした……。

もしかして、男同士の話ってこのことか?!

「そ、そんなこと玲緒たちに話す必要ないだろ!」

「いや、ある!」

「何で?!」

「親友だから!」

「はぁ……」

俺は、深く息を吐いた。